情報システムの運用(第7回)

ビジネスインダストリ(ストラテジ系・経営戦略)


配布資料

第7回(問1~問43)
解答なし解答あり解説(要ID・パスワード)
第7回 補足(問1~問11)
解答なし解答あり解説(要ID・パスワード)

訂正

(なし)


中分類5 「ビジネスインダストリ」

【位置付け】

表: ITパスポート出題範囲(ストラテジ系)
共通キャリア・スキルフレームワーク 出題範囲(出題の考え方)
分野 大分類 中分類





1企業と法務 1企業活動
  • 企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を問う。
  • 身近な業務を分析し,課題を解決する手法や,PDCA の考え方,作業計画,パレート図などの手法を問う。
  • 業務フローなど業務を把握する際のビジュアル表現について問う。
  • 財務諸表,損益分岐点など会計と財務の基本的な考え方を問う。
2法務
  • 知的財産権(著作権法,産業財産権関連法規など),セキュリティ関連法規(不正アクセス禁止法など),個人情報保護法,労働基準法,労働者派遣法など,身近な職場の法律を問う。
  • ライセンス形態,ライセンス管理など,ソフトウェアライセンスの考え方,特徴を問う。
  • コンプライアンス,コーポレートガバナンスなど,企業の規範に関する考え方を問う。
  • 標準化の意義を問う。
2経営戦略 3経営戦略マネジメント
  • SWOT 分析,プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM),顧客満足度,CRM,SCM などの代表的な経営情報分析手法や経営管理システムに関する基本的な考え方を問う。
  • 表計算ソフト,データベースソフトなどオフィスツール(ソフトウェアパッケージ)の利用に関する理解を問う。
4技術戦略マネジメント
  • 技術開発戦略の意義,目的などに関する理解を問う。
5ビジネスインダストリ
  • 電子商取引,POS システム,IC カード・RFID 応用システムなど,各種ビジネス分野での代表的なシステムの特徴を問う。
  • エンジニアリング分野や電子商取引での代表的なシステムの特徴を問う。
  • 情報家電や組込みシステムの特徴,動向などを問う。
3システム戦略 6システム戦略
  • 情報システム戦略の意義と目的,戦略目標,業務改善,問題解決などに向けた考え方を問う。
  • 業務モデルにおける代表的なモデリングの考え方を問う。
  • コミュニケーションにおけるグループウェアやオフィスツールなどの効果的な利用について問う。
  • コンピュータ及びネットワークを利用した業務の効率化の目的,考え方について問う。
  • クラウドコンピューティングなど代表的なサービスを通じて,ソリューションビジネスの考え方を問う。
  • システム活用促進・評価活動の意義と目的を問う。
7システム企画
  • システム化計画の目的を問う。
  • 現状分析などに基づく業務要件定義の目的を問う。
  • 見積書,提案依頼書(RFP),提案書の流れなど調達の基本的な流れを問う。

【小分類】

小分類14 「ビジネスシステム」

【目標】
【説明】
【項目】
(1) 代表的なビジネス分野におけるシステム
代表的なビジネス分野におけるシステムの特徴を理解する。
用語例:流通情報システム,金融情報システム,POS(Point of Sales:販売時点情報管理)システム,GPS(Global Positioning System:世界測位システム)応用システム,GIS(Geographic Information System:地理情報システム),ETC(Electronic Toll Collection:自動料金収受)システム,ICカード,RFID(ICタグ),電子マネー,営業支援システム(SFA:Sales Force Automation),トレーサビリティ,スマートグリッド
活用例:ICカードやRFIDを応用した業務改善
(2) 代表的なビジネスシステムのソフトウェアパッケージ
代表的なビジネスシステムの,ソフトウェアパッケージの特徴を理解する。
用語例:業務別ソフトウェアパッケージ(会計,営業支援,販売管理ソフトウェア),業種別ソフトウェアパッケージ(金融,医療,製造,運輸向けソフトウェアパッケージ),DTP(DeskTop Publishing)
(3) その他の分野のシステム
行政の代表的なシステムとして,住民基本台帳ネットワークシステム,電子申請・届出のシステムなどがあることを理解する。
用語例:CTI(Computer Telephony Integration),電子入札

小分類15 「エンジニアリングシステム」

【目標】
【説明】
【項目】
(1) エンジニアリング分野におけるIT活用
自動化による設計・製造の支援,生産管理や在庫管理の効率化など,エンジニアリング分野におけるIT活用の意義を理解する。
(2) 代表的なエンジニアリングシステム
CAD(Computer Aided Design),CAM(Computer Aided Manufacturing)などの代表的なエンジニアリングシステムの特徴を理解する。
用語例:CIM(Computer Integrated Manufacturing:コンピュータ統合生産システム),コンカレントエンジニアリング,シミュレーション,センシング技術,生産方式,JIT(Just In Time:ジャストインタイム),FMS(Flexible Manufacturing System:フレキシブル生産システム),MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)

小分類16 「e-ビジネス」

【目標】
【説明】
【項目】
(1) 電子商取引
電子商取引の基本的な概念を理解する。
①電子商取引の特徴
電子商取引による商品販売では,店舗や店員にかかるコストを低減し,少ない投資で事業に参入できる可能性があることなど,基本的な特徴を理解する。
用語例:ロングテール,無店舗販売
②電子商取引の分類
電子商取引の種類を理解する。
用語例:EC(Electronic Commerce:電子商取引),BtoB(Business to Business:企業間取引),BtoC(Business to Consumer:企業対個人取引),CtoC(Consumer to Consumer:個人対個人取引),EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)
③電子商取引の利用
電子商取引の具体的な利用例及び手法を理解する。
用語例:電子マーケットプレース,オンラインモール,電子オークション,インターネット広告,インターネットバンキング,インターネットトレーディング,SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化),アフィリエイト,エスクローサービス,オプトインメール広告,バナー広告,レコメンデーション,ディジタルサイネージ
(2) 電子商取引の留意点
電子商取引におけるリスク及びセキュリティ対策の必要性を認識し,その基本的な留意点を理解する。

小分類17 「民生機器・産業機器」

【目標】
【説明】
【項目】
(1) 組込みシステム
組込みシステムとは何かという基本的な概念を理解する。
(2) 民生機器と産業機器
民生機器とは何か,産業機器とは何かという基本的な概念を理解する。
(3) 組込みシステムの具体例
身近な組込みシステムの具体例を理解する。
①民生機器
炊飯器,洗濯機,エアコン,携帯電話,携帯情報端末など,代表的な民生機器の例を理解する。
②産業機器
産業用ロボット,自動倉庫,自動販売機など,代表的な産業機器の例を理解する。
用語例:ATM(Automatic Teller Machine),ファームウェア

小分類14 「ビジネスシステム」

1. 代表的なビジネス分野でのシステム

1.1 代表的なビジネス分野におけるシステム

(1) 各種決済システム

決済に用いられるカードには以下のような種類がある。

カード 説明
クレジットカード
(Credit card)
買い物のときに販売店に提示することで,カード会社が一時的に代金を立て替え,後日契約に基づいて決済を行うカード。
クレジットとは,会計用語の「貸方」「借方」の「貸方」の意味。
デビッドカード
(Debit card)
買い物のときに販売店に提示することで,指定した銀行口座から直接代金が引き落とされるカード。
デビットとは,クレジットの反対の即時決済を意味する(会計用語の「貸方」「借方」の「借方」なので)。
プリペイドカード
(Prepaid card)
先に支払った金額をカードに記録しておき,その金額分だけ販売店への支払いに使用することができるカード。
テレホンカード,図書カード,バスカードなどが代表例。
プリペイドとは,「先払い」という意味。
使い切り式とチャージ式の2種類に大別できる。
• ポイントカード(Point card)
商品の購入金額や来店回数などに応じて発生するポイントを記録するカード。
ポイントは支払いや指定商品との交換など各種サービスに利用できる。
• IDカード(IDentity Card)
身分を証明するための学生証・社員証など。
• ETCカード
ETC(自動料金収受)システムの料金の支払いに利用されるクレジットカード。
(2) 磁気カードとICカード

各種情報を格納するカードとしては,磁気カードおよびICカードがよく用いられている。

• 磁気カード
磁気によって情報を記録するカード。
• ICカード
半導体集積回路(ICチップ)により情報の記録および演算を行わせることが可能なカード。
スマートカード(Smart Card)と呼ばれることもある。

磁気カードとICカードの違いは以下のとおりである。

  磁気カード ICカード
記憶媒体 磁性体(磁気ストライプ) 半導体集積回路(ICチップ)
情報量 少ない(60~80文字程度) 多い(500~16,000文字程度)
安全性 低い
(第三者が情報に容易にアクセスできるため,情報の盗難・改ざん・変造・複製などが容易)
高い
(記録した情報を暗号化したり,本人確認のための署名などの情報を保存することができるので,情報の盗難・改ざん・変造・複製などが困難)
拡張性 ない ある
(複数の独立したデータの管理ができ,発行後の情報追加・削除が可能なため)
(3) 代表的なビジネスシステム

代表的なビジネスシステムとして,以下のようなものがある。

用語 意味
POS
(Point Of Sales:
販売時点情報管理)システム
商品の販売の時点で,販売情報(商品,個数,金額,販売店,日付,時刻,購入者情報など)を記録・集計することで在庫管理やマーケティングを行うシステム。
EOS
(Electronic Ordering System:
電子発注システム)
小売店の端末から,本部や卸売店などへネットワーク経由で発注を行うことで,受発注業務の効率化,省力化を実現するシステム。
POSと連動させることで,的確な発注業務を実現できる。
GPS
(Global Positioning System:
全地球測位システム)
人工衛星からの情報を利用し,自分の位置情報を算出するシステム。
ETC
(Electronic Toll Collection:
自動料金収受)システム
有料道路の利用時に,料金所や検札所などの通過時に,車両を停止することなくノンストップで自動的に料金を精算するシステム。
車両と料金所・検札所などとのやりとりには無線が利用される。
RFID
(Radio Frequency IDentification:
電波による個体識別)
ICタグと呼ばれる微小なICチップを用いて,個体識別(ID)情報を電波や電磁誘導による近距離無線通信でやりとりをするシステム。
将来はバーコードに代わって商品管理などで利用されることが期待されている。
Bluetooth PCや携帯電話,家電製品などと,周辺機器を2.4GHz帯の電波を用いて無線で結ぶための近距離無線通信の規格。
• 衛星放送,BS・CS放送
人工衛星を使って行う放送。
放送の受信にはパラボラアンテナを用いる。
放送衛星(Broadcast Satellite,BS)によるBS放送と,通信衛星(Communication Satellite,CS)によるCS放送がある。
• ワイヤレスネットワーク
電波や赤外線を利用することで,ケーブルを用いずにネットワークを構築すること。
(4) 営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)

営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)とは,個々の営業活動をデータベース化することで,営業活動の分析を容易にし,個人によって差が大きい営業活動の品質を均一化することで,営業活動の効率を高め売上や利益の増加につなげようとするシステムのことである。

• カスタマイゼーション(Customization)
製品の機能やサービスを細かく分割して部品化することで,部品の組合せによって顧客一人ひとりの要求に応じた製品やサービスを提供すること。
(5) トレーサビリティ(Traceability)

トレーサビリティ(Traceability)とは追跡可能性という意味で,生産・流通にかかわる情報を記録して追跡可能にする仕組みのことである。

• KM(Knowledge Management:知識管理)
個人の知識や情報を組織全体で共有し,有効に活用することで業績を上げようという経営手法。
• DSS(Decision Support System:意思決定支援システム)
対話形式で,非定型的な経営上の問題解決のための意思決定を支援するシステム。

1.2 代表的なビジネスシステムのソフトウェアパッケージ

代表的なビジネスシステムの,ソフトウェアパッケージの特徴を理解する。

用語例:業務別ソフトウェアパッケージ(会計,営業支援,販売管理ソフトウェア),業種別ソフトウェアパッケージ(金融,医療,製造,運輸向けソフトウェアパッケージ),DTP(DeskTop Publishing)

1.3 その他の分野のシステム

(1) 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)

住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)とは,住民の方々の利便性の向上と国及び地方公共団体の行政の合理化に資するため,居住関係を公証する住民基本台帳をネットワーク化し,全国共通の本人確認ができるシステムとして構築するものである。

住民基本台帳カード(住基カード)とは,住民票に記載された氏名及び住民票コード等が記録されたICカードのことである。

住基カードは,住基ネットと連携することにより以下のようなサービスを受けることができる。

  1. 電子証明書による本人確認を必要とする行政手続きのインターネット申請が可能になる。
  2. 写真付きの場合には,公的な身分証明書として利用することができる。
  3. 市区町村が行う独自のサービスが受けられる。
  4. 転入転出手続きの特例が受けられる。
(2) 電子入札

電子入札では,認証局(CA:Certificate Authority)が発行する電子証明書が使用される。

• 認証局(CA:Certificate Authority)
個人や法人の存在や正当性を保証する電子証明書を発行する機関。

小分類15 「エンジニアリングシステム」

1. エンジニアリング分野におけるIT活用

自動化による設計・製造の支援,生産管理や在庫管理の効率化など,エンジニアリング分野におけるIT活用の意義を理解する。

2. 代表的なエンジニアリングシステム

2.1 代表的なエンジニアリングシステム

代表的なエンジニアリングシステムとして,以下のようなものがある。

名称 説明
CAD
(Computer Aided Design:
コンピュータ支援設計)
コンピュータを利用して製品の設計を行うことで,設計作業の生産性や信頼性の向上を図るシステム。
CAM
(Computer Aided Manufacturing:
コンピュータ支援製造)
CADで作成された形状データをNC(Numerical Control:数値制御)工作機器に入力して製品の製造を行うことで,製造作業の精度や効率を高めるシステム。
CAE
(Computer Aided Engineering:
コンピュータ支援エンジニアリング)
コンピュータによるシミュレーションや数値解析などにより,工業製品や建築物などの設計・開発を支援することで,開発の効率を高めるシステム。
構造解析,応力解析,振動解析,流体解析などがある。
FA
(Factory Automation)
コンピュータ制御の機器により無人化された工場。
• 生産管理システム
製品の製造に必要な部品や中間製品,所要量などの情報を管理する。
• PDM(Product Data Management:製品情報管理)
製品の設計図や部品表など,設計から製造に関する情報を一元管理する。
• 生産スケジューラ
生産計画策定を支援するソフトウェア。

2.2 コンカレントエンジニアリング(Concurrent Engineering)

開発・生産の工程の実施順序に着目した手法として,以下のようなものがある。

手法 説明
コンカレントエンジニアリング
(Concurrent Engineering)
製品開発において,概念設計・詳細設計・生産設計・生産準備など,各種設計および生産計画などの工程を同時並行的に行うことにより,開発期間や納期を短縮や生産の効率化などを進める手法である。
リバースエンジニアリング
(Reverse Engineering)
ソフトウェアやハードウェアなどの完成品を分析・分解することで,その仕様や仕組み,利用されている技術などを解明し,設計仕様などのシステム開発の上流工程の成果を抽出する開発手法。
フォワードエンジニアリング
(Forward Engineering)
システム開発の上流過程から下流過程に向かって開発を行うこと。
• インダストリアルエンジニアリング(Industal Engineering:生産工学)
分析や統計など科学的な方法を用いることで生産現場やサービスにおいて最も効率的なシステムを考える手法。

2.3 各種生産方式

生産方式に関連する用語として,以下ののようなものがある。

用語 意味
ライン生産方式 作業員をラインに並べて,ベルトコンベアなどで流れてくる機械に部品の取付けや小作業を行い生産する方式。
大量生産を行うのに適する。
セル生産方式 1人又は数人の作業員が,生産の全工程を担当する方式。
多品種少量を生産するのに適する。
JIT(Just In Time:ジャストインタイム)生産方式 必要な物を,必要なときに,必要な量だけ生産する方式。
在庫の無駄をなくし生産を最適化することができる。
見込み生産方式 生産開始時の計画に基づき,見込み数量を生産する方式。
ロット生産 まとまった数量(ロット)単位で生産を行う生産方式です。
BTO(Build to Order:受注生産方式) 顧客からの注文を受けてから,生産を開始する方式。

2.4 MRP(Material Requirements Planning:資材所要計画)

MRP(Material Requirements Planning:資材所要計画)とは,完成品の販売量から,製造に必要となる各種原材料の必要量を計算して,在庫情報と納期を考慮することで,原材料の発注量を算出する管理方式,及び,その管理を行うシステムのことである。


小分類16 「e-ビジネス」

1. 電子商取引

1.1 電子商取引の特徴

EC(Electronic Commerce:電子商取引)とは,コンピュータネットワーク上での情報交換により,商品やサービスの提供などを行うこと。

(1) EC(Electronic Commerce:電子商取引)おける売買契約の成立時期

民法では,契約は「申込みの意思表示」と「承諾の意思表示」の合致があれば成立する。

EC(Electronic Commerce:電子商取引)おける売買契約の場合,到達主義になるという特例が適用される。

ここでいう到達とは,メール以外の場合には,画面上に承諾内容が表示された時点であり,メールの場合には,メールサーバのメールボックスに読取り可能な状態で記録された時点である。

なお,遠隔地における契約において,民法の原則としては到達主義を採用するが,一般的な通信販売のような売買契約では発信主義を採用している。

(2) ロングテール(Long Tail)
用語 意味
ロングテール(Long Tail) 販売数の少ない商品は品目数が多いため,その売上げが全体の売上げに対して無視できない割合を占めるという法則。
または,その法則に基づいて,販売機会の低い商品も幅広く取り揃えることにより,販売の売上げを大きくするという,インターネット通販に対する販売手法。

1.2 電子商取引の分類

電子商取引(EC:Electronic Commerce)は,だれとだれの間での取引であるかによって,BtoB,BtoC,CtoC,BtoE,BtoGなどに分類される。

なお,BBusiness(企業)CConsumer(消費者)EEmployee(従業員)GGovernment(政府・行政機関)のそれぞれの頭文字である。

分類 概要 説明
BtoB
(Business to Business:企業間取引)
企業と企業の電子商取引 原材料の調達など。
取引額で見るとECの中で最大の割合を占める。
BtoC
(Business to Consumer:企業対個人取引)
企業と消費者の電子商取引 オンラインショップなど,企業の個人向けの取引。
取引件数で見るとECの中で最大の割合を占める。
CtoC
(Consumer to Consumer:個人対個人取引)
消費者同士の電子商取引 ネットオークションなど。
BtoE
(Business to Employee:企業対従業員取引)
企業と従業員の電子商取引 企業内での従業員向けの取引やサービス。
BtoG
(Business to Government:企業対行政取引)
企業と政府・行政機関の電子商取引 公共工事の入札や役所への各種届出手続きなど。

電子商取引で使用される技術として,以下のようなものがある。

用語 意味
EDI
(Electronic Data Interchange:電子データ交換)
コンピュータネットワークを使って企業間で受発注などの取引のデータをやり取りすること。
Web技術を利用したEDI(電子データ交換)は特にWeb-EDIと呼ばれる。
EFT
(Electronic Funds Transfer:電子資金移動,電子口座決済)
コンピュータネットワークを使って銀行間の資金移動や決済を処理するシステム。
• SET(Secure Electronic Transaction)
インターネット上でクレジット決済を安全に行うためのプロトコル。
• SSL(Secure Socket Layer)
WebサーバとWebブラウザ間などで,データを暗号化することにより安全に通信するためのプロトコル。
SSLをもとにIETFにより規格化されたものがTSL(Transport Layer Security)。
• XBRL(eXtensible Business Reporting Language)
各種財務報告用の情報を記述するためのXMLベースの言語。
XBRLで記述された情報は,プラットフォームやアプリケーションに関係なく利用可能となる。

1.3 電子商取引の利用

(1) オンラインモール(Online Mall),バーチャルモール(Virtual Mall)

オンラインモール(Online Mall),または,バーチャルモール(Virtual Mall)とは,オンラインショップが集まったWebサイトのことである。

(2) インターネット広告

インターネット広告とは,Webサイトや電子メールを利用した宣伝活動のこと。

従来の広告と比較して,以下のような利点がある。

代表的なインターネット広告の手法に,以下のようなものがある。

名称 手法
アフィリエイト Webサイトやメールマガジンにインターネット広告へのリンクを掲載する。
閲覧者はリンクをクリックすることによりインターネット広告へ誘導される。
広告主は掲載元の誘導実績に応じて報酬を支払う。
バナー広告 大規模なポータルサイトなどに自社のWebサイトへの入り口となる画像を設置し,誘導する。
リスティング広告
(検索キーワード連動型広告,
検索広告)
検索サイトでキーワードを入力して表示された検索結果のページに,入力したキーワードに関連する広告が表示される。
SEO
(Search Engine Optimization:
検索エンジン最適化)
Webの検索エンジンでの検索結果の上位に表示されるようにする。
ポップアップ広告 Webサイトを閲覧している際に,自動的に新しい別のウインドウが開いて広告が表示される。
オーバーレイ広告 Webページのコンテンツに重なるようにして広告が表示される。
インタースティシャル広告 Webページから別のページをアクセスする際に,広告用のページがいったん表示され,その後にアクセスしたページが表示される。
オプトインメール広告 あらかじめ受信者の許可を得て,興味のある分野の広告を電子メールで送信する。
オプトアウトメール広告 受信者の承諾なしに広告目的のメールを送信する。
• エスクローサービス
取引の安全性を保証する仲介サービスのこと。
(3) 電子商取引でのマーケティング戦略
• マーケティングミックス(Marketing Mix)
市場から望ましい反応を引き出すために,複数のツールを組み合わせて行うマーケティング戦略。
①Product(製品),②Price(価格),③Place(流通),④Promotion(プロモーション)の4つに分類されるツールを使用する4P理論が有名。

2. 電子商取引の留意点

電子商取引におけるリスク及びセキュリティ対策の必要性を認識し,その基本的な留意点を理解する。


小分類17 「民生機器・産業機器」

1. 組込みシステム

組込みシステム関連の用語として,以下のようなものがある。

用語 意味
組込みシステム
(Embedded System)
家電製品,携帯電話,エレベータ,自動車,産業用機器などの制御をおこなうシステム。
PCが汎用化されたハードウェアやソフトウェアを用いることが多いのに対して,その製品のために専用化されたハードウェアやソフトウェアを用いることが特徴。
組込みソフトウエア
(Embedded Software)
家電製品,携帯電話,エレベータ,自動車,産業用機器などに内蔵される,特定の機能を実現するためのコンピュータシステム(組込みシステム)で動作するソフトウェア。
組込みOS
(Embeded OS)
組込みシステムで利用されるOS(基本ソフトウェア)。
PC用OSと異なり,高いリアルタイム性,少ないメモリで動作するコンパクトさ,高い信頼性と安定性が要求される。
一方,高度なグラフィックス機能は一般的には必要とされない。
マイク口コンピュータ
(マイコン)
家電製品や電子機器の制御などに用いられる,1個から数個程度の半導体チップにより実現される小型のコンピュータ。
• エキスパートシステム(Expert System)
専門的知識をデータベース化またはプログラム化して,解決策の推論などに利用するシステム。
• エンタープライズシステム(Enterprise System)
全社規模で導入される大規模な情報システムのこと。
• シンプレックスシステム(Simplex System)
システム構成の一種で,二重化などを行わずに1台のコンピュータから構成されるシステム。
• スーパーコンピュータ(スパコン)
大規模な科学技術計算に用いられる,超高性能なコンピュータ。
その時点での最先端の技術を結集して開発され,価格も他のコンピュータとは比べ物にならないほど高い。
• ミニコンピュータ(ミニコン)
1960年代から1990年代までに存在していた,当時の汎用大型コンピュータ(メインフレーム)よりも小型で安価なコンピュータ。
• パーソナルコンピュータ(パソコン,PC)
個人で使用することを前提で開発されたコンピュータ。

2. 民生機器と産業機器

2.1 民生機器

民生機器とは,一般消費者(一般家庭)での使用が想定された機器のこと。

なお,民生機器のうち,インターネットなどネットワークに接続できる通信機能を備えた家電製品のことを情報家電と呼ぶ。

2.2 産業機器

産業機器とは,産業用途(工場や事業所など)での使用が想定された機器のこと。 一般的に民生機器に対して高い精度や耐久性が要求される。


すぎうら しげき <>