情報システムの理解と構成(第1回)

ガイダンス


1. ITパスポート試験とは

ITパスポート試験は,すべての職業人が共通に備えておきたい,ITに関する基礎的知識の理解度を評価します。

1. ITパスポート試験が対象とする人材像

“グローバルなコミュニケーション社会において,企業情報を安全に扱い,ITで明日の強い企業を創るビジネスイノベーションを支える基礎知識を持った人材”

◎具体的には,以下のような人材です。

2. 出題の特色

3. 特徴

現代の社会では,ITが生活の隅々まで浸透しています。ITを日常的に活用することで,私たちの仕事や暮らしはとても便利なものとなりました。

今なおITは成長を続け,新しいITを取り入れた社会へと発展を続けています。

こうした中,国民一人ひとりが働く上でも生活する上でも,ITを正しく使いこなす術(すべ)や正確な知識を身につけてこそ,その効果が最大限発揮され,望ましいIT社会の実現に向かうと期待されます。

これからの社会では,全ての人に基礎的な素養として「IT力」が求められています。

職業人(になろうとする人)一人ひとりに求められるIT力とは,パソコンの操作ができる・パソコンを使ってデータの処理ができるということだけではなく,

などの視点から,ITの基礎的知識を身につけておくことが求められます。

こうした時代のニーズに応えるため,独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)では,すべての職業人が共通に備えておきたい,ITに関する基礎的知識を測る「ITパスポート試験」を実施しています。

(IPA ITパスポート試験®ウェブサイトより)


2. ITパスポート試験の試験内容

(1) 解答方式,出題数

四肢択一,100問(*)

(2) 出題分野

ストラテジ系(経営全般)
35問 程度(*)
マネジメント系(IT管理)
20問 程度(*)
テクノロジ系(IT技術)
45問 程度(*)

(3) 試験時間

120分

(4) 合格基準

IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいた評価点が次の①,②の両方を満たす場合に合格。

①3分野の総合評価が60%(*)以上であること。
②出題3分野(ストラテジ系/マネジメント系/テクノロジ系)ごとの分野別評価がそれぞれ30%(*)以上であること。

(*) 総合評価は92問,分野別評価はストラテジ系32問,マネジメント系18問,テクノロジ系42問で行う。 残りの8問は今後のITパスポート試験で出題する問題を評価するために使われる。

(IPA ITパスポート試験®ウェブサイトより)


3. ITパスポート試験の出題範囲

ストラテジ系(経営全般)

財務,法務,経営戦略など経営全般に関する基本的な考え方,特徴など

大分類1 「企業と法務」
財務諸表・損益分岐点など企業活動に関する理解/PDCAの考え方/知的財産権,個人情報保護法,労働基準法など身近な職場の法律/ライセンス管理/コンプライアンス,コーポレートガバナンスなど企業規範に関する考え方 など
大分類2 「経営戦略」
経営分析手法(SWOT,CRMなど)用語の理解/電子商取引,POSシステム,ICカード・RFID応用システムの特徴/情報家電や組込みシステムの特徴 など
大分類3 「システム戦略」
コンピュータやネットワークを利用した業務効率化の目的,考え方/コミュニケーションにおけるグループウェアやオフィスツールなどの効果的利用/提案書の流れなど調達に関する知識 など

マネジメント系(IT管理)

システム開発,プロジェクトマネジメントなどIT管理に関する基本的な考え方,特徴など

大分類4 「開発技術」
ソフトウェア開発の基本的な流れに関する知識/ソフトウェア開発における見積もりの考え方 など
大分類5 「プロジェクトマネジメント」
プロジェクトマネジメントの意義,目的,考え方,プロセス,手法に関する知識 など
大分類6 「サービスマネジメント」
ITサービスマネジメントの意義,目的,考え方/ヘルプデスクなど関連項目に関する理解/コンピュータやネットワークなどのシステム環境整備に関する基礎的な理解/システム監査の意義,目的,考え方や流れに関する知識/内部統制,ITガバナンスの意義,目的,考え方 など

テクノロジ系(IT技術)

ネットワーク,セキュリティ,データベースなどIT技術に関する基本的な考え方,特徴など

大分類7 「基礎理論」
二進数の特徴や演算/ベン図などの集合,確率・統計に関する基本的な考え方/ビット,バイトなど情報量の表し方/アルゴリズムの基本的な考え方/プログラミングの役割/HTML,XMLなどのマークアップ言語の特徴 など
大分類8 「コンピュータシステム」
コンピュータの基本的な構成/プロセッサの性能と基本的な仕組み/記録媒体の種類と特徴/入出力インタフェースなどの種類と特徴/システムの構成,処理形態,利用形態の特徴/クライアントサーバシステムの特徴/Webシステムの特徴/システムの性能,信頼性,経済性の考え方/OSの必要性,性能,種類,特徴/ファイル管理の考え方/オフィスツールなどのソフトウェアパッケージの特徴/オープンソフトウェアの特徴 など
大分類9 「技術要素」
GUIなどインタフェース設計の考え方/JPEG,MPEG,MP3など符号化の種類と特徴/情報の圧縮と伸長/データベースの意義,考え方/LANやWANの種類と構成/インターネットや電子メールの特徴と仕組み/情報セキュリティポリシの考え方/ウイルス対策などの技術的セキュリティ対策の考え方/入退室管理などの物理的,人的セキュリティ対策の考え方/ディジタル署名など認証技術の種類と特徴/公開鍵,秘密鍵など暗号化技術の仕組み など

ITパスポート試験出題範囲 (2012年変更箇所表示版)ITパスポート試験シラバス(Ver 3.0) (2015年変更箇所表示版)用語・プログラム言語など(Ver 2.3)

(IPA ITパスポート試験®ウェブサイトより)


4. 各授業とITパスポートの出題分野の対応

「情報システムの理解と構成」
テクノロジ系(IT技術)
「情報システムの運用」
ストラテジ系(経営全般) + マネジメント系(IT管理)

5. 過去の試験問題とサンプル問題

(IPA ITパスポート試験®ウェブサイトより)


6. 授業計画

  1. ガイダンス

テクノロジ系(IT技術)

  1. 基礎理論 (1) (16問)
  2. 基礎理論 (2) (17問)
  3. アルゴリズムとプログラミング (1) (19問)
  4. アルゴリズムとプログラミング (2) (13問+補足3問)
  5. コンピュータ構成要素 (31問+補足10問)
  6. システム構成要素 (50問)
  7. ソフトウェア (32問+補足3問)
  8. ハードウェア (21問)
  9. ヒューマンインタフェース (12問) + マルチメディア (11問)
  10. データベース (34問+補足2問)
  11. ネットワーク (14問)
  12. セキュリティ (1) (29問+補足5問)
  13. セキュリティ (2) (42問+補足5問)
  1. まとめ

すぎうら しげき <>